野方苗圃 を 考察する 1

 歴史的な「野方苗圃」の所在を 東京都中野区役所の8階にある公園 道路 整備フロアーの11番窓口:公園係を訪ねておききした。
若い職員は、「野方苗圃ですか、きいたことはありません」と言われた。
ビョウホって、どんな文字を書くのですか、とも言われた。
係長にお尋ねすると、「峰さんという人が、調べていましたね。野方苗圃がどこにあったかは、さあて、・・・判らない。。」との回答であった。

私は、現在、中野区の管理下にある「江古田の森」、そのエリアに野方苗圃はあったに違いないと考察。それで中野区役所をお訪ねしたのであったが・・・。
歴史的な遺跡ともいえる野方苗圃を、当然、中野区は把握しているとばかり思っていたが、そうではなかった。

そこで次は、中野法務局を訪ねることにした。
不動産登記の面から探究できないか、と思ったのであった。
現在は「江古田の森」と総称されているが、江古田の森に吸収されたかつての都立北江古田公園を調べた。

北江古田公園の地目は、なんと「病院敷地」となっていた。
昭和46年6月4日に、かの地は分筆されて、現在の「江古田の森」とは境界線が引かれた。つまり、地番が別々にさせられたのであった。大本の地番(北江古田公園)は 割譲され枝わかれさせられたのであった。北江古田公園の敷地は枝番が1であることから、分割した人の主眼は北江古田公園にあったことが伺えよう。隣接する、いわゆる結核療養所側の森は、2番、3番などの枝番が附られていた。

昭和46年は、野方苗圃が廃園になった年ではなかったか。
私の推理では、苗圃は、都立北江古田公園になったエリアであろうと思われるのである。廃園の野方苗圃を公園化するにあたり、広大な病院敷地を分割して、敷地管理のために、分筆の登記がされたのだろう。

 私が野方苗圃の探究上、キーワードは「地目」とみた。
不動産登記法では、土地の「銘柄」はきちっと定められているので、眺めてみたい。。

三省堂 大辞林によると、
ちもく 1 【地目】
土地の主たる用途による区分。不動産登記法では次の二一種類が定められている。
田・畑・宅地・塩田・鉱泉地・池沼・山林・牧場・原野・墓地・境内地・運河用地・水道用地・用水路・ため池・堤・井溝・保安林・公衆用道路・公園・雑種地。

住宅用語大辞典によると、
地目
土地の現況と利用状況による区分のこと。田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地の21種類に区分されている。登記簿上の地目と、実際の土地の利用状況が必ずしも一致しているとは限らない。

「都立北江古田公園」や「中野区立江古田の森」の地目は、本来ならば
「公園」とすべきところではないでしょうか。それが「病院敷地」となっていたのです。



このことを考察すると、
山林、または原野であった〝江古田の森〟に結核の療養所を建てた歴史があったこと。。
その建設のおりに 「病院敷地」と 地目を変更したのだろうと思われる。

広大な「病院敷地」であったことから、その一角を苗圃として使わせてもらったことが、「野方苗圃」の真実の姿ではなかっただろうか。

●東京都都市整備局が公表された
 「北江古田公園整備」から、北江古田公園の経緯がみえてくるので、引用させていただきたい。以下。

○公園の概要
・都市計画名称 :東京都市計画第4・4・10号北江古田公園
・公園名称   :(仮称)北部防災公園
・位置     :中野区江古田三丁目地内
・公園種別   :地区公園
・都市計画年月日:平成10年3月20日
・都市計画面積 :約6.0ha
・開園面積   :1.56ha(全面開園予定:平成19年3月)
・事業主体   :杉並区
○事業の概要
 北江古田公園は国立療養所中野病院の跡地に計画され、中野区内でも最大規模の樹林地が残っています。また、計画地一帯は避難場所にも指定されていることから、区立北江古田公園と併せた約6.0haをみどり豊かな防災公園として整備していきます。
 平成15年5月には区民参加による「(仮称)北部防災公園整備検討会」を設けており、現在、基本計画の検討を行っています。
○これまでの経緯
・昭和43年3月  江古田公園(約3.4ha)を都市計画決定
・昭和46年7月  都立公園として北江古田公園を開園
・昭和62年4月  北江古田公園が東京都より中野区に移管される
・平成10年3月  江古田公園を北江古田公園(約6.0ha)に都市計画変更
・平成15年4月  計画地(国立療養所中野病院跡地)の用地取得
    以上であるが、公園エリアの移管関係は複雑であるので理解を容易にするために公表された航空写真の引用をお許しいただきたい。

※黄色線内は現在の中野区立江古田の森公園のエリア
※赤線内はかつての都立北江古田公園である。この赤線範囲内が野方苗圃とお もわれる。
※かつての都立北江古田公園のほとんどのエリアは江古田川氾濫に備え、遊水 池を兼ねている。その為に、公園の地面は低くなっているとのことである。
 これは、東京都建設局公園緑地部計画課企画係長(課長代理)さんと
 緑化推進担当さんから伺った。